【初心者向け高配当企業分析】ヤマウHDに投資す3つの理由【九州のインフラを支える】

  1. 2022年3/四半期決算短信の情報を追記しました。
  2. 配当金及び配当性向のグラフを修正しました。

どうも、アイクです。

今日は、ヤマウホールディングスについて企業分析します。

この記事では、

  1. ヤマウホールディングスの概要
  2. ヤマウホールディングスの営業成績
  3. ヤマウホールディングスの財務状況
  4. ヤマウホールディングスの配当戦略
  5. ヤマウホールディングスの将来性

について解説します。

なお、本記事では、IRBANK様のデータを引用しています。

それではいってみましょう👍

ヤマウホールディングスの概要

ヤマウホールディングスは、福岡県にある企業で、コンクリートの製造販売や水門などの施工及び整備などを主な業務としています。

会社の値段である時価総額は約45億円で、株式市場では小型株といわれる銘柄になります。

   
小型株?またよくわからない単語が出てきたな

株式会社は、大型株、中型株そして小型株の3つの分類がなされており

  1. 大型株:時価総額2000億円以上
  2. 中型株:時価総額2000億円未満1000億円以上
  3. 小型株:時価総額1000億円未満

という具合に分類されます。

企業の規模が小さいと証券会社などのプロ投資家に注目されないため、思わぬ安値で仕入れる機会があったりします。

   
大型株の時価総額を5000億円以上とする考え方もあるみたいだね

ヤマウホールディングスは、収益の大部分を公共事業が占めており、収益性に大きな波があるのが特徴的です(下記利益率参照)。

   
年末に道路工事が集中するような感じかな

ここまでがヤマウホールディングスの概要になります。

ヤマウホールディングスの営業成績

売上高~会計基準の変更で売上高激減~

上のグラフには載っていないのですが、2021年度は、なんと前年比33%もの減収予想となっています。

   
今年の売り上げ終わってるじゃん!?
こんな企業に投資する価値あるの?
一見すると、確かにこれだけの減収予想となると投資に二の足を踏んでしまうと思いますが、今回に限っては話が違います。
なぜなら、2021年4月から収益認識に関する会計基準という新しい会計基準で売り上げを算出することになったからです。
これによって、保守点検などを業務としている企業は、大きく売り上げが下がることが予想されます。
下記のサイトで詳しく解説されていますので、この記事を見終わってからどうぞご覧になってください(笑)

グロービス学び放題

収益認識会計基準の適用で影響の大きい取引とは?前回に続いて、収益認識会計基準について説明します。今回は、収益認識会計基準…

上記の理由から、売上高から投資の可否を判断することは難しいですが、利益は前年比28%減となっており、売上高の33%減よりも減少幅が少ないことから、収益性はむしろ上がったといえるでしょう。

営業利益率~不安定ながらも右肩上がりな利益率~

   
利益率の波が激しいけど、大丈夫なのかな?
ヤマウホールディングスの主な収益源は公共事業ですから、仕事内容によっては1年で終わらないものもあるはずです。
そのような事業を営む企業の場合、通常は売上が立った時にまとめて計上することになるため上記グラフのような変動の激しい営業利益率を示す場合があります。
会計基準変更の影響から、保守整備などの売上を毎年少しずつ計上することになったので、今後はもう少し滑らかなグラフになることが予想されます。
営業利益率に関する評価としては、リーマン・ショック時に赤字転落していることが気になりますが、それ以降を見ると
  1. 安定して黒字経営を続けている
  2. 全体的に右肩上がり

このように評価できるのではないでしょうか。

   
このまま右肩上がりなら、数年後の株価高騰なんかも期待できるかもね

ヤマウホールディングスの財務状況

※ 左軸が自己資本比率、右軸がネットD/Eレシオとなります。

自己資本比率~長期的な改善基調を継続~

企業の体力を表す自己資本比率は2020年度末時点で約30%と悪くない値です。

また、IR情報によると2021年度末時点ではさらに内部留保を増やして自己資本比率は35%程度になると予想されています。

   
長期的に右肩上がりなのも好印象だね
企業が長期的に安定した経営ができているかどうかを判断するには、自己資本比率の推移が大変参考になりますので、必ずチェックするようにしましょう。

ネットD/Eレシオ~暗黒期は脱したか!?~

同社のネットD/Eレシオは、リーマンショック時に250%を超えており、債務超過ではありませんが経営は危機的状況にあったといえます。

   
規模の小さい企業は融資を受けた時に一気に財務状況が悪化するのかもね
しかし、リーマンショック後は継続的に返済し、2020年度は42%まで改善しました。
コロナ禍で人手不足などが深刻な中でも財務状況の改善が継続されていることも好材料といえます。
   
この基調が続く限りは安心してみていられるね

ヤマウホールディングスの配当戦略

配当金~減配もあるがリーマンショック以降概ね右肩上がり~

ヤマウホールディングスの2021年度の配当予定金額は22円となっています。

配当利回り3.24%と、現状高配当株ではありません。

   
高配当株の目安としては配当利回り3.75%(税引き後3%)だよ
現状、全体的には増配基調にあるため、大やけどする銘柄ではないかなと考えています。

ヤマウホールディングスは安定した配当を出すことを基本方針としており、これまでじわじわと増配し続けていることから減配リスクは低いと見て良いでしょう。

配当性向~安定はしても株主還元意識は低い~

正直に言って、ヤマウHDの配当金に過度の期待は禁物です。

配当性向10%前後と同社の増配余地はまだまだたっぷりとあるのですが、配当性向が10%台というのはそもそも配当金で株主に還元しようという意識は希薄と考えられます。

   
ちょくちょく減配しているのも悪材料だね
とはいえ、長期的には増配傾向にあるので長期保有する価値はあると考えます。
同社の配当利回りを高めたいなら、配当金の成長に期待するよりも株価の下がったタイミングで買い付けていく姿勢が重要だと言えるでしょう。

ヤマウホールディングスの将来性

ヤマウホールディングスのIR情報によると、九州地方は長期的に公共事業を縮小していく方針のようです。

   
どこも財政難だからしょうがないよね
また、コロナ禍での人手不足による人件費が高騰や原油高によるコスト増から、正直今後はあまり大きな成長は見込めないかもしれないと考えています。
しかし、上記のコスト増は一時的なものですし、どんなに公共事業が縮小してもメンテナンスや定期的な建て替えなどの需要がゼロになることはあり得ません。
そういう意味で、細く長く生き残ってくれる企業だといえるのではないでしょうか。

最新の業績

良い点~業績の大幅な上方修正~

ヤマウHDは、2月4日発表の2022年3/四半期決算で利益ベースで4割以上の上方修正を発表しました。

   
前年比減収減益から一転、増益となりました
業績好調の要因は以下のとおりです。
  1. ワクチン接種率向上などに伴い新型コロナウイルスの悪影響が予想以上に抑えられた
  2. 高収益商品の売り上げ好調

新型コロナウイルスの変異は予想できませんので、今後毒性の強い変異ウイルスなどが出現して再び社会活動が停滞するようであれば、一気に業績が悪化することもあるでしょうが、基本的に好調な業績が続きそうです。

悪い点~増配への過度な期待は禁物~

配当戦略でも解説しましたが、ヤマウHDの株主還元意識はけして高くありません

通期の業績が予想通り推移した場合、当期の配当金22円に対する配当性向は10.7%となっており、過去の実績と比較して低すぎるということはありません。

   
ヤマウHD視点で見ると増配する理由が無いかもね
この企業に関しては、毎年増配に期待するより、長期的に増配傾向であればいいと割り切る方が良いお付き合いができると考えます。

まとめ 需要は長期的に減少するが底堅いビジネスモデル

この記事では、

  1. ヤマウホールディングスの概要
  2. ヤマウホールディングスの営業成績
  3. ヤマウホールディングスの財務状況
  4. ヤマウホールディングスの配当戦略
  5. ヤマウホールディングスの将来性

について解説しました。

公共事業が今後減少するのは日本のメガトレンドなので、ヤマウホールディングスがビジネスモデルを刷新などしないと長期的な株価の成長余地は小さいと思います。

しかし、新規の建造などがいくら減ったとしても既存インフラのメンテナンスという需要はずっと残り続けるはずです。

結論としては

  1. 財務状況は改善基調
  2. 株主還元意識は低いが安定配当が期待できる
  3. 既存インフラのメンテナンスという底堅いビジネスモデルを持っている

という理由から投資していくという判断になりました。

   
一生売らずに配当金をもらい続けるつもりなら、株価を気にする必要ないっていうのは斬新なアイデアかもね!

ヤマウホールディングスの企業分析は異常になります。

他の企業の銘柄分析も見たい方は、こちらの記事から飛べるようになっています。
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