【初心者向け高配当企業分析】アジアパイルHDに投資する3つの理由【建築基礎杭シェアNo.1】

  1. 2023年度1/四半期について解説しました
  2. 各種グラフを更新しました

どうも、アイクです😆

今日は、アジアパイルホールディングスについて銘柄分析していきます。

アジアパイルホールディングスは、建築物の基礎部分である「杭」の開発・製造を主なビジネスモデルとしている企業で、普通に生きていても直接情報が入ってくる人はほぼいないと思います。

   
なんとなく需要はありそうだけど、普通は投資候補にすら上がらなさそうだね。
どうやって投資判断をすればいいの?
このように思う方は、きっと少なくないでしょう。
また、アジアパイルホールディングスは、高配当株ではあるものの地政学リスクが高めで、初心者向けとは言えないな銘柄です。
しかし私は、今後の成長性や底固い需要から投資価値はあると判断しました。。
この記事では
  1. アジアパイルホールディングスの概要
  2. アジアパイルホールディングスの営業成績
  3. アジアパイルホールディングスの財務状況
  4. アジアパイルホールディングスの将来性

について解説します。

それではいってみましょう👍

なお、本記事ではIRBANK様のデータを引用しています。

アジアパイルホールディングスの概要

基礎工事の国内シェアNo.1企業

冒頭でも書いたように、アジアパイルホールディングスは建築物の基礎工事関連事業を営む企業です。

建築物の基礎とは、建物と土地をつなぐ重要なもので、地震などの天災が多い日本その他のアジア諸国では非常に重要な技術といえます。

   
地味だけど、なくてはならない企業なんだね。
この企業強味は、中・高層ビルの基礎として使われている既成コンクリート杭の国内シェアNo.1であることです。
どんなビジネスでも、No.1とNo.2には天地の差があります。
また、地震大国である日本で基礎工事の需要がなくなることはまず考えられませんので、今後も安定した経営が期待できますね

アジア諸国に現地法人所有

アジアパイルホールディングスは、ベトナムとミャンマーの現地法人を傘下に加えており、今後アジア諸国でのさらなる成長を図っています。
冒頭で地政学リスク高めといったのはミャンマーの現地法人のことですね🤔
今はクーデターの影響で運営がストップしているそうです。
クーデターは未だ終わりが見えないし、投資する上で重要なポイントだね
安定した配当金狙いの高配当株投資において、このような先の見えないリスクを抱えている企業に投資するのはナンセンスという方もいるでしょう。
しかし、主要ビジネスである日本の基礎工事関連事業は堅調に推移していることや、後述する経営の安定性などから十分に分散されたポートフォリオの一部に攻めの姿勢で組み込むのはありだと考えました。

アジアパイルホールディングスの営業成績

売上高〜リーマン・ショック後は順調に推移〜

流石に建築関連の企業だけあって、リーマン・ショックの影響は大きかったようで、2010年と2011年は赤字転落しています。

しかし、その後は順調に売上を伸ばしていますし、新型コロナウイルスの影響はほぼ見られません

また、アジアパイルホールディングスは今年2月に、既存の材料を使って強度を向上させるスマートマグナムという基礎工事の工法を開発し、国交相認定を受けました。

スマートマグナムという新たな主力商品を手に入れてさらなる成長にも期待できます。

   
既存の材料で実現できてコスト増の心配も少ないから、利益拡大の期待大だね!

営業利益率〜2022年以降に期待〜

アジアパイルホールディングスを分析する上で一番気になる点は、やはり2010年と2011年の赤字転落です。

新型コロナウイルスの影響は今のところ軽微なものとなっていますが、同社の業績は基本的に景気の影響を受けやすいといえます。

   
不動産の需要がないなら、当然基礎工事の需要もないからね

2012年以降は黒字復帰しましたが、利益率の上下と下記の投資活動によるキャッシュフロー(CF)との間には、2015,16年や2020,21年の投資金額増加に伴い利益率が大きく低下するなど強い相関関係がみられます。

スマートマグナムの開発に成功したことから、今後の商品開発費は低下していくことが予想されます。

したがって、今後は投資キャッシュフローの資金投入額が低下して利益率は改善に向かうと思います。

   
商品開発費は投資キャッシュフローの一部ってことだね

とはいえ、新商品の売れ行きは世間の景気に左右されるところが大きいですし、冒頭で解説した地政学リスクと併せて考えると、アジアパイルホールディングスに投資するかどうかについては、後述する同社の経営の安定度合いが重要になってくると考えます。

アジアパイルホールディングスの財務状況

自己資本比率~安定した右肩上がり~

アジアパイルホールディングスの自己資本比率は2023年度で41.6%、しかもおおむね改善基調にあることから経営は安定していると思われます。

   
自己資本比率40%の企業はかなり倒産リスクが低いといえるよ

利益剰余金も年々増加していて、財務の安定性の高さが伺えます。

ネットD/Eレシオ~計画的な借入で健全な経営を維持~

アジアパイルは、2019年から5ヵ年計画と称して借入を伴うビジネス投資を行ってきました。

それにもかかわらず、同社の自己資本比率は右肩上がり

しかも、借入額の健全性を示すネットD/Eレシオは低位で安定し、2023年時点でマイナスとなっています。

これはつまり、同社が身の丈に合った借入を行なっていることを意味しており、健全な経営が行われていることを示しています。

   
安定的な経営を行っていることは、長期保有する上で非常に重要なポイントです

アジアパイルホールディングスの配当状況

配当金〜2011年以降減配なし〜

アジアパイルは、2011年以降減配なしの累進配当を継続しています。

2024年度は25円に減配予定ですが、2023年度の30円のうち5円は記念配当なので実質的には累進配当を継続中とも言えます。

最近では、コロナで経済が完全に低迷した期間でも累進配当を維持していることから、減配リスクは低いと見ています。

   
リーマンショックでは減配してるから油断禁物だけどね

配当性向~2022年度に急騰も安定基調~

アジアパイルホールディングスは、利益剰余金からの安定配当を基本方針としており、配当性向は2023年度で27.7%とまだまだ増配余地はありそうです。

また、2022年度は初めて配当性向が50%を超えましたが、持ち直したこともポイント高いですね。

そして、2010年と2011年はリーマン・ショックで赤字転落したにも関わらす配当金を出しているという事実は、配当金狙いの投資家には朗報といえます(※2011年は8→5円に減配しています)。

   
配当金がゼロ(無配)になるリスクが低いのは推しポイントだね

アジアパイルホールディングスの将来性~地政学リスクには注意~

ここまで分析して得たアジアパイルホールディングスについてまとめると

GOODポイント

  1. 財務的には安定した経営状態にある
  2. 赤字転落でも無配転落しない株主還元意識高めな企業

BADポイント

  1. 先の見えないミャンマークーデター
  2. 将来的にはチャイナリスクも警戒

銘柄分析結果については様々な意見があるでしょうが、アジアパイルホールディングスが抱える最大のリスクはアジア全体の地政学リスクだと考えます。

経営は安定しているものの先の見えないリスクを抱える以上、ポートフォリオの主力として積極的に資産を投入するのは危険かもしれませんね。

2023年8月時点では、中国でまた不動産会社がデフォルトの危機に瀕しており、予断を許さない状況が続いています。

読売新聞オンライン

【読売新聞】 【北京=山下福太郎】中国の不動産開発大手「碧桂園」は10日、2023年1~6月期の最終利益が450億~55…

最新の業績

営業成績

営業成績については、減収増益となりました。

減収の要因は、以下のとおりです。

  • 大規模案件が終了した
  • 資材及び燃料価格の高騰
  • 人手不足

建築業界はどこも人手不足が深刻なようで、人材の獲得が急務となっています。

   
まぁ自分もできるなら外での力仕事より室内で仕事したいしな
増益の要因は以下のとおりです。
  • 新工法「Smart-MAGNUM工法」を積極販売
  • 施工効率及び工場の生産性を改善

高収益商品をしっかり売って、余計な経費を削減するという王道な手段により増益を達成したことは高く評価できます。

2023年はコンクリートパイル業界全体で出荷量が減少しているので、しばらく逆風かもしれませんが、なんとか売上も盛り返して欲しいですね。

また、業績への影響は小さいですが、ミャンマーの子会社はクーデターの影響で事業活動を再開できていません。

   
いつか再開できる日を楽しみにしてます

財務状況

財務状況については、資産負債共に減少しました。

資産減少の要因は、現金が約30億円減少したことが主なものです。

財務諸表を見る限り、借金の返済や原材料等の購入に使用されたものと思われます。

負債減少の要因は、借入金の減少が主なものです。

資産及び負債の変動により自己資本比率は1.3%改善しました。

また、現金が減ってもネットD/Eレシオはマイナスとなっており、健全な財務状況を維持していると言えます。

   
ネットD/Eレシオがマイナスなうちは問題なしですね

配当戦略

2023年の配当金については、本決算で発表してから変更はありません。

前年から5円減配していますが、これは記念配当が無くなっただけなので実質的には配当維持と同じことです。

今のところ、業績の進捗状況は悪くありませんが、業界全体で逆風が吹いている状況なので、今年の配当金の上方修正は期待しないほうがいいと思います。

   
下手に期待しないほうが修正きた時に嬉しいしね

まとめ

この記事では

  1. アジアパイルホールディングスの概要
  2. アジアパイルホールディングスの営業成績
  3. アジアパイルホールディングスの財務状況
  4. アジアパイルホールディングスの将来性

について解説しました。

アジアパイルホールディングスは様々なリスクを抱えているものの

  1. 基礎工事国内のシェアNo.1
  2. 積極的に海外へ販路を開拓
  3. 赤字でも配当金を出す株主還元意識の高さ

それらを総合的に考えた結果、私は同社を成長する高配当株になるポテンシャルを持っていると考え、ポートフォリオに加えることに決めました。

アジアパイルホールディングスの企業分析は異常になります。

他の企業の銘柄分析も見たい方は、こちらの記事から飛べるようになっています。
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