【初心者向け高配当企業分析】クリエートメディックに投資する3つの理由【拡大市場のトップシェア】

  1. グラフを最新に更新しました
  2. 2023年第2/四半期決算短信の情報を追記しました

どうも、アイクです。

今日は、クリエートメディックについて企業分析していきます。

結論としては

  1. シリコーンカテーテル製造業の底堅い需要と成長性
  2. 10年以上の実質無借金経営を継続中
  3. 配当性向100%越えでも減配しない安定感抜群の累進配当

の3つの理由から、クリエートメディックはポートフォリオ全体の安定感を高めつつ、今後の資産増加にも貢献する好ポテンシャルな銘柄と判断しました。

この記事では、

  1. クリエートメディックの概要
  2. クリエートメディックの営業成績
  3. クリエートメディックの財務状況
  4. クリエートメディックの配当戦略
  5. クリエートメディックの将来性

について解説します。

   
そもそも高配当株投資って何?
こういう方は、企業分析よりもまずこの記事を読むと良いでしょう。
高配当株投資のすべてが分かります。
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なお、本記事では、IRBANK様のデータを引用しています。

それではいってみましょう。

クリエートメディックの概要

クリエートメディックは、カテーテルと呼ばれる医療機器のメーカーです。

カテーテルとは、医療や介護で使用される細いチューブのことで、大きな外科手術が不要になり手術後の回復が早くなるなどのメリットがあることから、カテーテルを用いた治療機会及び市場規模ともに増加傾向にあります。

(株)グローバルインフォメーション プレスリリースより引用

   
医療関係の知識は間違いが許されないので、詳しくは以下のリンクでご参照ください

カテーテルには、ラテックスやナイロン、シリコーンなどいくつかの素材が使われており、クリエートメディックはその中でも全てシリコーンで作られたオールシリコーンカテーテルが主力商品です。

オールシリコーンカテーテルには以下のような特徴があります。

  1. 人体に害が少ない
  2. 高耐久
  3. 高価

さらに、導尿用のシリコーンフォーリーカテーテルや腸閉塞に使用されるイレウスチューブは業界トップシェアを獲得しています。

   
ニッチな分野のトップシェア・・・いい響きです

クリエートメディックの営業成績

売上高~市場とともに順調な成長を見せる~

クリエートメディックは、カテーテルの中でも人体に害が少なく安全性に優れたオールシリコーン製品を主力商品としてビジネスを展開しています。

冒頭でも解説したように、カテーテル治療は大きな外科手術が不要であることがメリットです。

また、最近では医療従事者だけではなく、在宅介護の現場などでも広く利用されるようになり、市場規模は拡大を続けています。

ここ10年以上、同社は市場規模拡大の波にうまく乗って売り上げを伸ばしています。

   
2015年に少し売上が落ちてるけどなんでかな
   
チャイナショックが主な原因だね
中国は、リーマンショックで受けた経済的ダメージを回復するためになんと65兆円規模の金融政策を行ってきました。
それにより過熱していた株式のバブルが崩壊して大暴落を記録したのが、2015年から2016年にかけてのチャイナショックです。
当時すでに世界第2位の経済大国だった中国のバブル崩壊ですから、クリエートメディックの業績にも大きな影響が出たということですね。
   
中国の株式市場でサーキットブレーカー(ストップ安)が発動されたことからも、事の重大さが分かります
それでも最終的に約3%の減収で収まっていることから、同社のビジネスの底堅さがうかがえますね。

営業利益率~2012年以降横ばい~

上記のグラフのとおり、クリエートメディックの営業利益率は長期で下降気味、2012年以降は横ばいという状況です。

   
ビジネスモデルとして欠陥があるのかな
   
医療機器は企業が自由に価格設定できないんだよね
日本では、私たち国民が平等に高いレベルの医療を受けられるよう、サラリーマンや公務員とその扶養家族は健康保険、それ以外は国民健康保険に加入することを義務付けています。
そして、医療を安定して供給できるよう、医療機器や医薬品の価格を厚生労働省が決定しています。
そのため、企業はたとえ原材料の高騰などでコストが上昇しても、販売価格に転換することができません
世界的にインフレ傾向にある中、日本は長らくデフレ傾向が続いてきましたので、各種コストが上昇する中で販売価格だけは上がらず、結果として利益率が低下してきました。
   
国民の収入が増えない限り、この傾向は続くかもしれませんね

とはいえ、2012年以降、営業利益率は横ばいで推移しておりますし、国としても国内の医療機器メーカーが倒産することを望むわけはありません。

したがって、今後も利益率は底堅く推移することが考えられます。

クリエートメディックの財務状況

自己資本比率~堅実なビジネスを象徴とする安定感~

クリエートメディックの自己資本比率は、2012年度以外は安定して70%をキープ、さらにここ数年は右肩上がりで推移し、直近は80%にせまるところまで来ています。
   
抜群の安定感だね!
2021年度には、返済期限が1年以上ある長期借入金(10億円規模)の返済も終了し、事業継続において金銭的なリスクはほとんどないと言えます。

ネットD/Eレシオ~設備投資後も余裕の実質無借金経営~

クリエートメディックは、記録にある2008年度以降、常にネットD/Eレシオがマイナスの実質無借金経営を維持しています。
   
2012年度に少し悪化してるけど、問題ないのかな?
クリエートメディックは、国内だけでなくアジアへも積極的に進出しており、中国やベトナムに子会社を所有しています。
財務状況の悪化については、同社は2010年度から2014年度にかけてベトナム進出のために投資を行っています。
その結果、2010年度にベトナム クリエートメディック有限会社、2014年度にベトナムクリエートメディック国際貿易有限会社を設立しています。
したがって、クリエートメディックがベトナム進出のために多額の借入を行ったことから、財務状況がわずかに悪化したものと思われます。
   
子会社設立以降、財務は改善傾向にあるので、特に問題はなさそうです

クリエートメディックの配当戦略

配当金~連続増配ではないが減配リスクは皆無~

上記グラフのように、クリエートメディックはこれまで4~5年間隔で2円刻みの増配を行ってきました。
   
毎年連続で増配している企業と比較すると見劣りしちゃうね
このように感じた方もおられるかもしれません。
しかし、改めてグラフを見ると、クリエートメディックは記録にある2009年度から今まで一度も減配がありません。
ビジネスモデルの安定性と相まって、今後の配当金についても減配リスクは非常に低いと言えます。
   
キャピタルゲインでなくインカムゲイン狙いの投資家にはとても価値ある銘柄です
もちろん、今後も減配しない保証はありませんが、現時点で減配していないという事実は、投資を決断するうえで強いプラス要素となりますね。

配当性向~100%越えでも減配なしの安心感~

クリエートメディックはいわゆる連続増配銘柄ではありませんが、その代わり減配もありません。
特に、チャイナショックで大きく減収減益となった2015年度は、配当性向100%超え、つまり一時的にたこ足配当となる状態でも減配していないことは、配当金狙いの投資先として大きな安心材料です。
   
悪材料が少ないのは長期保有するうえで大切なことですね
2015年度以外の年は、50~75%程度で推移しており、直近が下限の50%付近であることから、増配余地も十分にあると思われます。

クリエートメディックの将来性

好材料~拡大市場の大手企業であること~

概要でも解説したように、医療や介護の現場においてカテーテルの需要は拡大しています。

市場全体で規模が拡大しているので、ある程度自然に事業規模の拡大が期待できます。

特に、クリエートメディックはカテーテルの中でも人体への害が少ないとされているオールシリコーンカテーテルを主力商品としていて、トップシェアを獲得している分野もある大手企業です。

   
ニッチな分野のトップシェア・・・いい響きです(本日2回目)

既に業界内で地位を確立している企業なので、今後も業績は安定して推移することが期待できます。

悪材料~国策で成長を制限されている~

医療機器は、私たち国民に平等な医療を提供する目的で、価格の決定権を厚生労働省が握っています。

価格を自社で設定できないため、クリエートメディックが事業を成長させるには、コストを削減するか販売量を増やすしかありません

同社のHPでも、価格変動に関するリスクに言及しており影響の大きさをうかがわせます。

最近は、社会保障制度を維持する目的で医療費削減が強く推進されており、今後も価格が引き下げられる可能性は高いです。

   
市場が成長しても価格の引き下げに相殺されるかもしれないんだね

少なくとも、短・中期の成長はあまり期待できないと思われるので、投資する際は高値掴みしないよう注意していきたいですね。

最新の業績

  1. 新製品及びOEMの販売は好調
  2. 財務状況は安定に推移
  1. コストの増加及び為替の影響により大きく減益
  2. 現金の減少によりネットD/Eレシオは若干悪化

営業成績

2023年2/四半期の営業成績は増収減益となりました。

増収の要因は海外向け販売とOEM(他社ブランド)販売が約9%の増収となったことです。

また、泌尿器系の新製品である先端開口フォーリーの販売も順調に拡大基調のようですが、最終的な国内向け販売は−3.6%の減収となりました。

利益面では、仕入れや物流コストの高止まりの影響で減益となりました。

コストの高騰は自社だけではどうにもならないからこれはしょうがないですね
仕入れや物流コストの高騰など、外的要因による減益の場合は、外的要因が改善されるまでビジネスを継続できる企業体力が残されているかどうかが重要です。
それを判断するために、後述する財務状況の解説を見てください。

財務状況

財務状況については、資産増加負債減少

自己資本比率も1%上昇し、79%となっています。

新たな借入もなく財務面での問題は特に見当たりません。

強いて言うなら、原材料の仕入れなどに約2億円の現金を消費したことで、ネットD/Eレシオがー0.23から−0.21へと若干悪化したくらいです。

   
ネットD/Eレシオは値がマイナスなら、数値が急激に悪化しない限り特に気にする必要はないですね

配当戦略

配当戦略について、今のところは期初に発表した37円から変更はありません。
ただ、前期の配当性向は70%を超えています。
現在のコスト増加に伴う減益傾向が続いた場合は更なる配当性向の増加が懸念されます。
同社は、2015年に配当性向100%超えでも配当を維持した実績があるので慌てる必要はありませんが、今の原油価格の高騰や円安が長期的に解消されない場合は一時的な減配もありうるかもしれません。

まとめ

この記事では、

  1. クリエートメディックの概要
  2. クリエートメディックの営業成績
  3. クリエートメディックの財務状況
  4. クリエートメディックの配当戦略
  5. クリエートメディックの将来性

について解説しました。

クリエートメディックは、現状配当利回りは3.7%台と物足りませんが、以下の3つの理由から、クリエートメディックは安定した配当金を得ながら株価の成長も見込める銘柄と判断しました。

  1. シリコーンカテーテル製造業の底堅い需要と成長性
  2. 10年以上の実質無借金経営を継続中
  3. 配当性向100%越えでも減配しない安定感抜群の累進配当

クリエートメディックの企業分析は以上になります。

他の企業の銘柄分析も見たい方は、こちらの記事から飛べるようになっています。

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