- 2022年第1/四半期決算を解説
- 各グラフを最新に更新
- 各種分析内容を更新
どうも、アイクです。
今日は、世界に誇る日本の損害保険会社、MS&ADインシュアランスについて企業分析していきます。
結論としては
- 安定感抜群のビジネスモデル
- アジアNo.1の損保保険シェア
- 2013年度以降8期連続増配
この記事では、
- MS&ADインシュアランスの概要
- MS&ADインシュアランスの営業成績
- MS&ADインシュアランスの財務状況
- MS&ADインシュアランスの配当戦略
- MS&ADインシュアランスの将来性
- 最新の業績
について解説します。
なお、本記事では、IRBANK様のデータを引用しています。
それではいってみましょう。
MS&ADインシュアランスの概要
MS&ADインシュアランスとは、東京海上日動に続く日本第2位の規模をほこる大手保険会社です。
同社は、リーマンショックによる世界的な大不況を背景に、経営の安定とさらなる成長を求めて三井住友海上、あいおい及びニッセイの3社が合併して2010年度に発足しました。
当時の状況については、三井住友海上が発表した2013 三井住友海上をご参照ください。
合併後は、積極的に海外へ進出し、現在ではアジア圏では損害保険会社としてNo.1の規模となっています。
アジアを始めとした新興国は、経済的な成長は見込めますが地政学リスクが高いため、そういった地域の現地企業には保険の需要は高そうですね。
MS&ADインシュアランスの営業成績
経常収益~発足以降右肩上がりに成長~
MS&ADインシュアランス発足の2010年度以降、同社は右肩上がりに成長してきました。
2010年度に収益が跳ね上がっているのは、三井住友海上の経常収益に、合併したあいおいやニッセイなどの収益が加算されているためです。
経常利益率~利益率が低いのは損害保険の特性~
2020年度の損害保険会社の利益率は、一番高いセコム損保でも7.2%と高くないことが業界全体が抱える問題となっています。
MS&ADインシュアランスの財務状況
自己資本比率~保険業は自己資本比率が低くなる!?~
D/Eレシオ~企業買収などで数値悪化~
上のグラフを見ると、MS&ADインシュアランスは、2015年からD/Eレシオが右肩上がりになっています。
純資産は2.5兆円から3兆円あたりで安定しているので、有利子負債が増加しているということになります。
有利子負債の中身は同社が発行する社債で、過去のIR情報を見ると、使用用途は主に負債の返済や事業投資のようです。
同社は、海外進出のために世界中の現地保険会社や金融会社と資本提携などを結んでおり、その費用をねん出するために社債発行を決断したようですね。
MS&ADインシュアランスの配当戦略
配当金~連続増配継続中(現在9期)~
上のグラフを見ると、MS&ADインシュアランスは業績が安定し始めた2013年から2021年度まで9期連続で増配しています。
2022年度の予想配当金は185円と10期連続の増配を予定しており、これが履行されると配当金は10年で約3倍以上に成長したことになります。
配当性向~40%前後の安定水準へ~
2021年度時点では、MS&ADインシュアランスの配当性向は約60%とやや高めな数値となっています。
一般的に80%を超えると継続的な増配は難しくなると言われています。
MS&ADインシュアランスの将来性
自己資本比率のところで解説したように、保険会社は契約者に保険金を滞りなく支払えるよう、保険内容に応じた責任準備金を積み立てておくことが法律で定められています。
責任準備金は、保険会社の運用益や保険料などから一部を負債として積み立てるため、保険会社の利益を圧迫する要因となります。
したがって、今後もMS&ADインシュアランスの経常利益率が10%を超えたりすることはないと考えます。
利益より確実な保険金支払いを優先している証拠だからね
最新の業績
- 収入保険料(経常収益)は増加傾向
- 海外小会社の売上が大幅アップ
- 米国株暴落の影響から有価証券の収益性が悪化
- ヨーロッパ市場の収益化が急務
MS&ADが発表した第1/四半期決算は、保険会社が景気敏感セクターであることを如実に示す内容でした。
2022年は年初から、新型コロナ対策で行われてきた金融緩和政策からの転換が各国で行われてきました。
特に米国では、6月から政策金利の上昇やFRB(連邦準備理事会)が買い入れてきた資産の売却(いわゆるバランスシートの縮小)など金融引き締め政策を積極的に行っています。
まとめ
この記事では、
- MS&ADインシュアランスの概要
- MS&ADインシュアランスの営業成績
- MS&ADインシュアランスの財務状況
- MS&ADインシュアランスの配当戦略
- MS&ADインシュアランスの将来性
- 最新の業績
について解説しました。
保険会社は、顧客からの保険料という非常に安定した収益構造をしていますが、利益は世界の金融市場に連動する傾向にあるため、トータルで見ると景気敏感株よりと言えます。
しかしながら
- 安定感抜群のビジネスモデル
- アジアNo.1の損保保険シェア
- 2013年度以降8期連続増配
MS&ADインシュアランスの企業分析は以上になります。
他の企業の銘柄分析も見たい方は、こちらの記事から飛べるようになっています。
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